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cat in the house


 うちで飼っているネコは野良猫だった。まだら模様のメスネコだ。保護施設の催す「猫ちゃん里親お見合い会」が近所であり、そこでもらってきたのだ。もらうといっても数万円のワクチンと避妊手術料は支払う。生後8ヶ月だった。子猫といって渡されたが、すでに子猫とは呼べれない、なかなかの大きさになっていた。震災の少し前の一月だったから、計算上はそろそろ4歳になるはずだ。当時と比べても多少は大きくなったなと感じる程度の成長だから、やはりそれほど小さかったとは言えない。もとが野良なので臆病である。ちょっとした物音にも怯える。もちろん懐いてはきているが、無条件に膝に飛び乗ってくるようなことは稀だ。そんなこともあり、ストレスを増やすかもしれないようなクルマに乗せたりはずっとしていなかった。

 それと比べると北海道に住んでいた頃に飼っていたオスの黒ネコはクルマに乗せてどこにでも連れて行った。近所の旭ヶ丘公園や半月湖で散歩したり、スケートボードのランプにも行った。尻別川を見て、日本海の無人のビーチで焚き火の横でうずくまり、テント泊までした…。ネコの方も慣れたもので後ろのドアを開けっ放しにしていると、自分から勝手に乗り込んで、出発を待っているくらいだった。ほとんどイヌだ。とはいえ、一旦家を飛び出すと真冬でも一週間くらい帰ってこない。そして、全身キズだらけで戻ってくるというファイターでもあった。いったいどんな猛獣にかじられたらそんなキズが出来るのだろう。そんな日々がたたったのは間違いない、早く逝ってしまった。今、我が家にいるネコさまと同じくらいの歳だった。ペットクリニックの先生曰く感染症のことを考えるとネコは家から出さないほうがいいそうだ。外に出すのはお仕着せの自己満足と言われても、ネコの本能には逆らえない。それは今も変わっていない。
(つづく)   
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樋貝吉郎
                                          


ニセコランプにて(レオーネに乗って)
by yoshirohigai | 2014-04-22 18:03 | 写真メモ