サイボーグ見てください。
2014年 07月 02日
Goproなんてモノがまだあったかなかったあの時、彼は飛んだ!カメラを握りしめて…
TOYOTA BIG AIRというイベントがある。1997年にスタートし今年で18回を迎えた札幌の冬の風物詩となった感があるスノーボードの国際大会だ。
2008年第12回。僕はある企みをもって撮影に臨んでいた。まだ札幌に住民票があった頃だ。大会の公式ポスターを担当しているデカチョウこと吉田尚弘からのオファーでオフィシャルフォトグラファーをしていた。トヨタビッグエアは第一回目から何度も撮影をしていたがテレビ局が主催ということもあり、どうもテレビのカメラが最優先となっていて、写真を撮るには制約が多すぎで、撮影欲をかくイベントであった…
それが、デカチョウの話では今回はそのテレビ局からの依頼でどこからでも好きに撮ってよろしいということなのだ。それはつまり、発射口の真下に立とうが、ジャッジ席からレンズを突き出そうが、あの無数の足場に乗ろうが、あのチョンがったスタート台から見下ろしても、オーケーということなのである。いままで見たこともない絵が欲しいというデカチョウの言葉に写欲が奮い立たされないはずがなかった!いままで立ち入ることが出来なかったアングルは確かに新鮮だった。ジャッジ席から選手を真横に見ることも、鳶のように単管にまたがるのもまた面白かった。雑誌の撮影の時には許されなかったエリアに立ち入れる優越感もあったのだけど、本当に残したい絵は選手にカメラを持って飛んでもらう絵だ。実はその前年選手のひとりである平岡アキフミにカメラを握ってもらった。アキは頑張った。見事に選手の目からみたキッカーを飛び出す瞬間を押さえてくれたのだ。棒立ちになりながらもファインダーを覗くという荒技でランディングバーンと大観衆をど真ん中に捉えたのだ!
今回の狙いはライダー自身も画面に入れることだ。大会が始まるまであたまのなかで、使う機材とシミュレーションを試行錯誤した。2008年はすでにデジカメは一般的になっていたし、自分もメインで使っていた。レンズはフィッシュアイ。しかしながらフルサイズのデジカメは重くて、とても片手で持ちながら、あのビッグジャンプをすることなど想像もつかない。もちろん自分にとってはあそこを飛ぶことなど想像すらつかない。どんな機材があるだろうと思いを巡らせてみたところで、自分が持っている機材を使うしかない。そこでフィルム時代のEOS-10を引っぱり出すことにした。当然ながら35mmフルサイズ。フィッシュアイレンズも15mmの対角線魚眼が当たり前につく。秒間5コマのモータードライブは十分な機能である。高感度ネガフィルムをいれれば、夜の撮影もバッチリのはずである…
さて、カメラはスタンバイオーケーだが、一体誰がそれを持ってあのジャンプ台を飛んでくれるだろう。ぶっつけ本番だ。やっぱり外人かな?優勝候補のアンティ・アウティはニセコで撮影したことがあるから頼めるだろうか…
そのとき、スーパーファイナルの8人のなかに日本人がひとりだけ通ったという情報が入った。
チェンこと山本真丈である。面識はない。でも頼むのは彼しかない。バックステージの選手控えテントにいた彼に直接交渉する。ほとんど強引だ。ポカーンとしてる彼に、カメラの持ち方を説明して、このアングルで、助走からシャッターを押し続けてとかまくしたてる。
で出来上がったのが、今出ているサイボーグに載った写真だ。
どうぞ探してください。
ネットで全部完結しないのもいいんじゃないですか?
TOYOTA BIG AIRというイベントがある。1997年にスタートし今年で18回を迎えた札幌の冬の風物詩となった感があるスノーボードの国際大会だ。
2008年第12回。僕はある企みをもって撮影に臨んでいた。まだ札幌に住民票があった頃だ。大会の公式ポスターを担当しているデカチョウこと吉田尚弘からのオファーでオフィシャルフォトグラファーをしていた。トヨタビッグエアは第一回目から何度も撮影をしていたがテレビ局が主催ということもあり、どうもテレビのカメラが最優先となっていて、写真を撮るには制約が多すぎで、撮影欲をかくイベントであった…
それが、デカチョウの話では今回はそのテレビ局からの依頼でどこからでも好きに撮ってよろしいということなのだ。それはつまり、発射口の真下に立とうが、ジャッジ席からレンズを突き出そうが、あの無数の足場に乗ろうが、あのチョンがったスタート台から見下ろしても、オーケーということなのである。いままで見たこともない絵が欲しいというデカチョウの言葉に写欲が奮い立たされないはずがなかった!いままで立ち入ることが出来なかったアングルは確かに新鮮だった。ジャッジ席から選手を真横に見ることも、鳶のように単管にまたがるのもまた面白かった。雑誌の撮影の時には許されなかったエリアに立ち入れる優越感もあったのだけど、本当に残したい絵は選手にカメラを持って飛んでもらう絵だ。実はその前年選手のひとりである平岡アキフミにカメラを握ってもらった。アキは頑張った。見事に選手の目からみたキッカーを飛び出す瞬間を押さえてくれたのだ。棒立ちになりながらもファインダーを覗くという荒技でランディングバーンと大観衆をど真ん中に捉えたのだ!
今回の狙いはライダー自身も画面に入れることだ。大会が始まるまであたまのなかで、使う機材とシミュレーションを試行錯誤した。2008年はすでにデジカメは一般的になっていたし、自分もメインで使っていた。レンズはフィッシュアイ。しかしながらフルサイズのデジカメは重くて、とても片手で持ちながら、あのビッグジャンプをすることなど想像もつかない。もちろん自分にとってはあそこを飛ぶことなど想像すらつかない。どんな機材があるだろうと思いを巡らせてみたところで、自分が持っている機材を使うしかない。そこでフィルム時代のEOS-10を引っぱり出すことにした。当然ながら35mmフルサイズ。フィッシュアイレンズも15mmの対角線魚眼が当たり前につく。秒間5コマのモータードライブは十分な機能である。高感度ネガフィルムをいれれば、夜の撮影もバッチリのはずである…
さて、カメラはスタンバイオーケーだが、一体誰がそれを持ってあのジャンプ台を飛んでくれるだろう。ぶっつけ本番だ。やっぱり外人かな?優勝候補のアンティ・アウティはニセコで撮影したことがあるから頼めるだろうか…
そのとき、スーパーファイナルの8人のなかに日本人がひとりだけ通ったという情報が入った。
チェンこと山本真丈である。面識はない。でも頼むのは彼しかない。バックステージの選手控えテントにいた彼に直接交渉する。ほとんど強引だ。ポカーンとしてる彼に、カメラの持ち方を説明して、このアングルで、助走からシャッターを押し続けてとかまくしたてる。
で出来上がったのが、今出ているサイボーグに載った写真だ。
どうぞ探してください。
ネットで全部完結しないのもいいんじゃないですか?
by yoshirohigai
| 2014-07-02 19:55